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採用動画のAIナレーションは、どこで壊れるか

公開 2026-09-23/更新 2026-10-07/読了目安 約3分

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音声合成で作った採用動画のナレーションが実際に壊れた箇所を、自社の実測のまま出す。画面も原稿も正しいのに音だけ誤る、という壊れ方と、検収の考え方をまとめる。

画面も原稿も、すべて確認して「問題なし」と出した納品物に、確認のしようがない誤りが入っていたら、検収は何を見ればよいのだろうか。

実はこれは、私たちの会社でAIのナレーション(音声合成)に起きたことである。人間のナレーターとは壊れ方が違うため、人間相手の検収をそのまま当てると素通りした。

結論を先に言う。

画面も原稿も正しく、音だけが誤っていた

2026年8月30日、自社運用の短尺動画13本を「完成」として入稿した。実際には9本に誤読があった(自社実測)。9本とも、画面も字幕も原稿も正しかった。間違っているのは音だけである。

ファイルを眺めても、尺を測っても、テロップを読み合わせても、1件も見つからない。指摘を受けて6本、音声を文字に起こして原稿と照合し直して、さらに3本が出た。

つまり、ふだんの検収が原理的に届かない場所に、誤りがあった。採用動画なら、たとえば「施工管理」が「走行管理」と読まれる。この件は3回続けて同じ誤読が出た(自社実測)。偶然ではなく、仕組みとして固定されている誤りは、引き直しでは直らない。

こちらの修正が、新しい欠陥を作った

2026年9月8日、社名の読みを安定させようと読みを置き換えたところ、社名が途中で割れて発音された。それ以前の回にはなかった欠陥を、こちらの修正が新たに作ったことになる。該当の5本を全数差し替えた。

しかもこの欠陥は、機械による聞き直しでは見つからなかった。ここだけは、人が耳で確かめる工程を外せないと私たちは考えている。

検査の向きを間違えると、抜けが見えない

別の採用動画では、画面から抽出した286件のテロップを原稿と全数照合し、「相違なし」として先方へ送った。その後、先方の視聴で相違を指摘された。調べ直すと、原稿側の被覆率は88.6%で、36件が抽出から漏れていた(自社実測)。

原因は検査の向きだった。「抽出したものが原稿に載っているか」しか見ておらず、そもそも抽出できなかったものは、検査の視界に入らない。たとえば営業の商談のカルテ化で、書いてある欄だけを確認して、書き忘れた欄を見ない、というのと同じ形である。

直したのは、逆向きの検査を足すことだった。原稿の各行が動画のどこかに出ているかを数え、ほぼ全部になるまで送らない。

自社で確かめる3つの問い

  1. 検収は、出てきたものの確認だけでなく、「抜け」を探す向きでも行っているか。
  2. 同じ誤りが2回出たとき、引き直しではなく、工程の側を変えているか。
  3. 社名や職種名のように間違えられないものを、人が最後に確かめているか。

2つ以上「いいえ」なら、AIに任せた仕事の検収を見直す余地があるかもしれない。あくまで目安であり実証ではないが、AI診断で現状を確かめられる。

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