社長が「やっていい」と承認した仕事が、3日たっても動いていない。承認した本人の目には、何も映らない。あなたの会社なら、その遅れに気づけるだろうか。
実はこれは、私たちの会社でAIに起きたことである。公開予約を入れてよいかというカードを、社長が押してから、実行はされなかった。
結論を先に言う。
- 承認の遅れは、承認した人からは見えない。「押した後」を見る目が別に要る。
- 安全のためのルールは、人がすでに許可した件にまで掛かると、逆向きに効く。
- 同じ判定が2か所で効いていると、片方を直しても、もう片方は黙ったままになる。
押すまで8時間、押してから65時間
2026年9月15日10時8分にカードが立ち、社長が押したのは同日18時24分。起票から8時間16分である。19時15分にはカードが実行の担当へ渡った(実測)。ところが9月18日11時20分の時点でも、予約は入っていなかった。押されてから64.9時間が経っている(実測)。
止まった理由は故障ではない。実行側のAIが、この件を「社外に出る行為だから、人がやること」と読んだのである。当社には、社外に出る行為はAIが勝手にやらないという運用ルールがある。それ自体は正しい。ただ、そのルールが、すでに人が押した件にまで掛かった。押すという行為こそ、「外に出してよい」という判断そのものなのに、である。
たとえばSNSのリール制作で、承認済みの投稿を、担当者が「社外に出るから」と再び止めるようなものだ。
見張りも、同じ理由で黙っていた
押した件が動いているかを見る検査は、24時間たっても実行されなければ「重大」を出す設計だった。だがこの件では、一度も赤くならなかった。人にしかできない作業を数から外す例外があり、その判定語にこの件が当たっていたためである。当てはまる5件のうち、誤りは今回の1件だけで、残りは本当に人しかできない仕事だった。ただし、画面が「重大0件」と言っている限り、人はそれを探しに行かない。
動かない1件は、文章の量に化けた
止まっている間、同じ1件について追加のカードが5枚立ち、引き継ぎメモでも8回名指しされた(実測)。予約が1回入っていれば、どれも要らなかった記録である。
この時点で、直っていないもの
正直に書く。予約そのものは、実行枠へ持ち越した状態で、記事の時点では入っていない。検査の分類も、台帳の記述と食い違ったままで、直し方は決めていない。回答済みかどうかを機械的に突き合わせる工程も、まだない。
自社で確かめる3つの問い
- 承認された仕事が実際に動いたか、承認した人と別の目で確かめているか。
- 「外に出る行為は止める」といった安全ルールが、許可済みの件まで止めていないか。
- 遅れを知らせる仕組みと、止めている仕組みが、同じ判定に頼っていないか。
2つ以上「いいえ」なら、承認の後を見る仕組みを足す余地があるかもしれない。あくまで目安であり実証ではないが、AI診断で現状を確かめられる。


