WEB広告の分析表で、媒体ごとの訪問者数を足したら、実際の来訪者より多くなっていた。そんな経験はないだろうか。
実はこれは、私たちの会社で自社サイトの数字を扱ったときに起きたことである。
結論を先に言う。人数や訪問のような「同じ人が複数の行に現れる数」は、行を足してはいけない。画面はきれいに出るので、数字だけが静かに間違う。
44が77になった
2026年9月2日から24日までの23日間で、GA4(Googleのアクセス解析)に期間全体を直接たずねると、訪問は44回、訪問者は31人、ページの表示は95回だった。
同じ期間を「日付×ページ×流入元」の33行に分けて書き出し、縦に合計すると、訪問は77回、訪問者は58人になった。表示だけは95回で一致した。誰も数字をいじっていない。取り出し方を変えただけで、訪問は1.75倍に膨らんだ。
なぜ膨らむのか
理由は、数える単位の違いである。表示回数は、1回が1つの行にしか属さないので、足してよい。訪問は、1回の来訪でトップページと会社概要を見ると、どちらの行にも「1」として現れる。同じ訪問が別のページで数え直された分が、増えた分である。
訪問者はさらに重なる。同じ人が別の日に来れば、日付ごとの行にも現れる。
なお、流入元ごとに分けた行では訪問が44ではなく47になった。この3回分の原因は、現時点では特定できていない。
人の職場なら、こうなる
つまり、1人が複数の行に関わる表を足すと、人数は膨らむ。
兼務の人は、営業部の名簿にも企画部の名簿にも載る。部門別の人数を足して全社の人数とすれば、実際より多くなる。採用の応募者も、2つの求人に応募した人は2人に数えられる。数えたいのが人なのか件数なのかを、先に決めておかないと、どちらの数字も正しく見える。こちらは今回測っていないので、考え方としての話である。
自社の直し方と、未測定のこと
自社では、サイト全体の訪問は行を足さず、GA4に直接たずねる形にしている。生の表に書き出すのは、表示回数のような足してよい数だけにする。
ただし、Looker Studio(グラフ作成の道具)で組んだ場合に同じことが起きるかは、今回は組めておらず未実測である。
自社で確かめる3つの問い
- 数字を表に持ち出すとき、「足してよい数」と「足してはいけない数」を区別しているか
- 数えたいのは人なのか、件数なのか、決めてから集計しているか
- 合計が、元の画面の数字と一致しているか確かめているか
2つ以上「いいえ」なら、見直す余地があるかもしれない。目安であって実証ではないが、AI診断で確かめてみてほしい。


