問い合わせが急に増えた月、その中身を1件ずつ見ただろうか。同じ会社の複数の担当者が、同じ日にフォームを送っていただけかもしれない。
実はこれは、私たちの会社のサイトの数字に起きたことである。「一度でも読まれた記事の本数」が、22日間ずっと2本だったのに、翌朝23本になった。公開24本のうち23本である(自社計測)。
結論を先に言うと、持ち帰れることは3つある。 - 数字が急に良くなった日こそ、悪くなった日と同じ手順でほどく。 - 本数の指標は、1回の訪問に簡単に占領される。 - 数える対象と、報告の言葉の意味を揃える。
実際は、1回の訪問・合計5秒だった
その日のサイト全体を見ると、訪問は1回、訪問者は1人、ページの表示は28回だった。画面を見ていた時間は合計5秒で、記事23本のうち20本は0秒、3本は1秒だった(実測)。誰の訪問だったかは分からない。こちらの動作確認だったかどうかも、確かめられていない。
数え方が、「開かれたか」だった
台帳は「そのページが開かれたか」を数え、報告は「読まれた」という言葉で書いていた。1回の訪問が23ページを通過すれば、23本が「読まれた」ことになる。アクセス解析の側に間違いはなく、問題は、数字に乗せた意味のほうだった。
さらに、同じ1回の訪問が、台帳の3つの欄を同時に動かしていた。3つの証拠が揃ったように見えて、証拠は1つしかなかった。
「エンゲージした訪問」という指標に替えても、23本のままだった。判定が訪問単位だからである。ページごとの時間で見て、合計10秒以上を条件にすると、2本に戻った。ただし、この10秒は仮の線である。
小さな規模ほど、1回の訪問が数字を動かす
訪問が1日に0〜6回しかない規模では、ページを端から開く訪問が1回あるだけで、本数の指標は最大値近くまで振れる。WEB広告の分析でも同じことが起きる。件数より、時間の合計や、2回以上来た人のほうが、実態に近い場合がある。
数え方は、まだ変えていない。変えるなら、過去の分も同じ条件で数え直してからになる。
自社で確かめる3つの問い
- 急に良くなった数字を、悪くなった数字と同じ手順で調べているか。
- 報告の言葉(読まれた、問い合わせ)と、実際に数えているものは一致しているか。
- 数字の裏にある、実際の訪問や人の数を、一緒に見ているか。
2つ以上「いいえ」なら、数字の読み方に穴があるかもしれない。目安として、AI診断で確かめてみてほしい。


