自分で書いた企画書を、自分で見直すとき、「そもそもこの前提は正しいか」まで疑えているだろうか。
実はこれは、私たちの会社のAIで試したことである。案を出す役とは別に、案を落とすためだけの役を置いた。門を通す区分の改善提案22件のうち、通ったのは0件だった(2026-09-02〜09-08、自社計測)。
結論を先に言うと、持ち帰れることは3つある。 - 案を出す役と、案を落とす役は、別にする。 - 落とす役に渡す本数には、上限を置く。 - 却下の理由は、案ではなく、案を作る仕組みに返す。
通過率0%は、材料が壊れていた証拠だった
22件が落ちた理由は、ほとんど同じだった。案が弱かったのではなく、提案を作る側の数え方が間違っていた。「失敗」と「中止」を合算していた、といったものである。却下の指摘から、提案を作る仕組みは7か所書き換わった。
人の組織でいえば、営業の商談のカルテ化で、集め方を決めた本人は、集めた数字を疑わない。別の目が入って、初めて数え方の誤りに気づく。
同じ役に、企画と否定を両方やらせると効かない
自分で出した案の欠点は挙げられても、案が立っている土台が事実と違う、という指摘は、まず出てこない。前提を共有していない側から見る必要がある。
一度に20件渡すと、否定が成立しない
最初は20件をまとめて渡したが、検証が浅くなる。1回に渡す本数を6件に絞った。人のレビューが疲れてすり抜けるのと同じことが、AIにも起きるからである。
うまくいっていないこと
否定役の起動は10回、常識外の案を出す役は3回だった(自社計測)。否定役は、機械が検知できる合図で自動的に起動するが、もう一方には、その合図が無い。通過率0%は誇れる数字ではなく、出す力が足りない、という意味でもあると、私たちは考えている。
自社で確かめる3つの問い
- 企画を出す人と、落とす人は、別の人になっているか。
- 落とす役に、1回に渡す量の上限はあるか。
- 却下の理由は、次の企画の作り方に返っているか。
2つ以上「いいえ」なら、任せ方の設計に偏りがあるかもしれない。目安として、AI診断で確かめてみてほしい。


